眼瞼下垂
眼瞼下垂の症状として、二重の幅が変化したり、目の上のくぼみが深くなったり、目の下の白目がいつも見える状態（三白眼）や、いつも眉毛を挙げて額にシワをよせたり、顎を上げていることなどが認められます。
上まぶたを挙げる役割の一端を担う眼瞼挙筋腱膜（挙筋腱膜）が薄く伸びているために、眼瞼挙筋が過剰に収縮して開眼させようとするので目の奥が痛むことがあります。また、歯を食いしばってまぶたを開けようとするので歯が浮くような感じや歯の痛みなどの顎関節の症状を起こすこともあります。一見関係ないように思える肩凝りや偏頭痛も眼瞼下垂を治療するこで改善する場合があります。
特に加齢によって起こるものは老人性眼瞼下垂症と呼びます。片側性の眼瞼下垂は非対称なので簡単にわかりますが、両側性の場合は気づかれない場合があります。
※眼瞼下垂の程度により健康保険の適用手術が可能です。
眼瞼下垂の原因
✚年齢による上まぶたの皮膚のたるみや筋肉のゆるみ
✚長期間のハードコンタクトレンズの使用
✚まぶたの動きが悪く開きにくい
眼瞼下垂の症状
- おでこに深いしわが増えてきてきた
- アイラインが上手く引けなくなってきた
- 長期間のハードコンタクトレンズを使用している
- 慢性的な頭痛や肩凝りに悩まされている
- 上まぶたのくぼみが深くなった
- 視野が狭くなった
まぶたの筋力・開眼チェック
眼瞼下垂の診断基準として眉毛の上の部分を押えて、額の筋力の影響を受けない状態で下を見た時と上を見た時の上眼瞼の辺縁の移動距離が１５mm以下の場合、瞳孔の中心から上眼瞼の辺縁までの距離が３．５mm以下の場合は眼瞼下垂を疑います。
上眼瞼たるみ・眼瞼下垂の治療法
眉毛下切開術 ¥275,000
瞼板にはまぶたを挙上する眼瞼挙筋がついています。何らかの理由でこの筋肉の動きが瞼板に伝わらなくなり目が開きにくくなります。眼瞼挙筋自体に問題がなく、挙筋腱膜のみが異常をきたしていると予想される場合に行います。上まぶたの皮膚を切開し、薄くなったり、瞼板からはずれてしまったりしている挙筋腱膜を瞼板に固定し目を開きやすくします。
埋没式挙筋腱膜短縮術は切開せずに眼瞼下垂手術を行う方法です。加齢によって起こる老人性眼瞼下垂症は皮膚のたるみも認めるため、たるみ切除を考慮していただいた方が良いでしょう。
二重の幅が狭く、なおかつ眉毛の位置が高く、上眼瞼挙筋や挙筋腱膜などに問題がなく、加齢などで皮膚がたるんで眼瞼下垂になっている場合に行います。
眉毛下縁沿ってたるんだ皮膚を切除します。傷は眉毛下縁に沿うので傷自体は残りますが、時間と共に殆ど分からなくなります。腫れは比較的少ないですが、一週間後の抜糸まではサングラスを用意しておいた方が良いと思われます。
上眼瞼たるみ・眼瞼下垂治療のリスク
- どのような手術においても感染のリスクは否定できません。
- 局所麻酔をするため、大なり小なり術後の腫れを認めます。
- 注射・切開をするため、内出血する可能性は否定できません。
- ごくまれに感染を起こす可能性があります。
- 切開・縫合するため、傷跡は必ず残ります。傷跡が目立たないよう努力します。
- 多少の左右差や自分の想像と異なる結果を生じる可能性があります。
眼瞼下垂 Q＆A
- 傷は残りますか？
- 傷自体は残りますが、殆ど目立なくなります。傷跡の赤みがとれるのに６ヶ～１２ヶ月程度必要です。ただし、二重瞼の線で切開した場合、傷は二重に隠れるので目を開けている状態では傷は見えません。
- 腫れる期間はどの位ですか？
- 術後１週間で抜糸になりますが、２週間くらいは腫れが強くでています。大まかな腫れは２週間程度でひきますが、本当の意味で腫れが落ち着くのは３ヶ月程度かかります。
- 手術の合併症はどのようなものがありますか？
- シャワー浴は当日から可能です。まぶたは腫れやすい部位なので当日より翌日の方が腫れが強くでますので、入浴は３～４日目からの方が良いでしょう。運動に関しては大まかな腫れが治まってからにしてください。
- 手術後注意することはありますか？
- まぶたは出血しやすい部位です。術後は腫れやすく、一度腫れてしまうと引くのに時間が掛かってしまいます。２～３日は出来るだけ安静にし、目の周りはできるだけ氷で冷やすようにしてください。術後の腫れを予防するためにも傷の部分をこすらないでください。また、内出血は重力に従って下の方向に広がっていきます。そのため、下まぶたは最後まで腫れや内出血が残りやすくなります。
