GLP-1ダイエット注射
当院でのGLP-1ダイエット注射は、週1回の投薬で効果が持続するように製剤的な工夫がされた『GLP-1受容体作動薬』を皮下注射します。血糖値を調節する作用や食欲を抑制する作用を利用した無理のないダイエットをサポートする治療法です。2014年9月に米国、2014年11月に欧州において承認され、その他4ヵ国において承認されている医薬品です。多くの国でその安全性は認められ、日本では「無理をしない肥満治療」として注目を集めています。
日本では糖尿病の治療薬として承認されていますが、肥満治療としては承認されていませんので自費診療となります。
こんなお悩みの方に効果的
✚無理な食事制限なし
✚過度な運動なし
✚ストレスなし
GLP-1の効果
GLP-1について
小腸などの消化管から分泌されるホルモンの総称を『インクレチン』と言います。インクレチンは、小腸上部から分泌されるGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)と、小腸下部から分泌されるGLP-1(glucagon-like peptide-1)の2種類があることが知られています。GLP-1は膵臓(すいぞう)を刺激してインスリン分泌を促すホルモンです。
GLP-1の作用
- 食事によって上昇した血糖値に応じて、膵臓(すいぞう)からインスリン分泌促進や膵β細胞の増殖作用により、血糖値を調整する働きがあります。
- 腸への食べ物の排出を抑制する作用。
- 脳に働きかけて食欲を抑制する作用。
GLP-1の特徴
●満腹感
胃の内容物をゆるやかに消化して排出します。
●食欲抑制
食欲抑制効果により間食をする機会が減ってきます。
●ストレス軽減
自然に食欲が抑制されるため、無理な食事制限や運動をするストレスが軽減されます。
●低血糖になりにくい
GLP-1の作用は血糖値に依存してインスリン分泌を促しますので、副作用が起こりにくいと考えられています。
●緩やかに体質改善
GLP-1の作用により、無理なく太りにくい体質へと改善していきます。
治療効果と治療経過
- 基本的には約1~2週間間隔で、目標に応じて2~3ヶ月の治療を繰り返し受けることをお勧めしております。
- 注射部位の鈍痛がしばらく続きます。
- 内出血を起こす可能性がありますが、1~2週間程度で徐々に消えていきます。
- 1ヶ月で1~3㎏の体重減少を目安にしております。※個人差があります。
- 日常生活や運動に特に制限はありませんが、過度な飲食はお控えください。
- 便秘になりやすくなるため、整腸剤の内服をお勧めしております。
注意事項
- 胃の膨張感・吐き気は投与日~投与2日前後までに多く認められますが、ほとんどの場合は自然に軽快していきます。
- 悪心・嘔吐を認められることがありますが、中止により改善します。
- 効果が不十分な場合には、治療継続の検討をいたします。
- 一般的にはGLP-1受容体作動薬の単独使用では低血糖になりにくいと考えられていますが、スルホニル尿素剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤との併用時には低血糖のリスクが高くなります。糖尿病治療中の患者さまはGLP-1ダイエット注射をお断りしております。
- 甲状腺疾患、膵臓疾患、腎臓疾患のある患者さま、抗凝固薬の内服中の患者さまはGLP-1ダイエット注射をお断りしております。
- GLP-1製剤にアレルギー反応を認めた場合や既往歴がある場合は必ず申告してください。
GLP-1ダイエット注射 Q&A
- GLP-1ダイエット注射は通院が必要ですか?
- 基本的には約1~2週間の通院間隔で、目標に応じて2~3ヶ月の治療を繰り返し受けることをお勧めしております。1ヶ月で1~3㎏の体重減少を目安にしております。その後、あまり体重変化が見られないようであれば治療継続の検討をいたします。毎日皮下注射をするタイプのGLP-1ダイエット注射もありますが、当院では取り扱いをしておりません。
- GLP-1ダイエット注射の副作用はありますか?
- 投与日~投与2日前後までに吐き気、胃のむかつきなどの症状が現れる場合がありますが、ほとんどの場合は自然に軽快していきます。吐き気、嘔吐などの症状が強い場合は医師にご相談ください。投与中は便秘になりやすくなるため、整腸剤の内服をお勧めしております。
- GLP-1ダイエット注射をする時の痛みはありますか??
- 針を刺すので痛みはありますし、注射部位の鈍痛もしばらく続きます。注射針を刺す行為は厳密には皮膚を傷つける行為なので2~3日は注射跡の赤みは続きます。
- GLP-1ダイエット注射はだれでも受けられますか?
- 甲状腺疾患、膵臓疾患、腎臓疾患、糖尿病の治療中の患者さま、抗凝固薬(血液サラサラ)の内服中の患者さま、妊娠、授乳中の方は治療をお受けすることができません。GLP-1製剤にアレルギー反応を認めた既往歴のある方も治療をお受けすることができません。